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ゆきわり草2月号

2024年2月1日(木)

2月11日は建国記念の日です。奈良時代にまとめられた古事記(712年)、日本書紀(720年)に初代・神武天皇が即位した日と記されていることから、この日を日本が国として成り立った日としているのです。

記・紀によると、神武天皇は現在の九州で生まれ、東に理想の国があるとして進軍しました。海路、陸路を駆使して現在の広島、岡山、大阪などを経て和歌山あたりに入りますが、途中、道に迷います。その時、夢に天照大神(アマテラスオオミカミ)が現れ、三本足の八咫烏(ヤタガラス)に道を案内させたといいます。その八咫烏は現在、日本サッカー協会のシンボルマークになっています。

 神武天皇はやがて現在の奈良県・橿原(かしはら)市に宮殿を建て初代天皇として即位します。西暦に換算すると、紀元前660年ころになるとされています。ただし45歳で東方への進軍を始めたと記されている神武天皇が崩御したのは127歳。いくら超人的な人物でも2600年以上前の寿命から考えると非現実的な話です。学術的な研究によると、もともと神武天皇を筆頭に8代目くらいまでの天皇の実在は確認できないのだそうです。

 とはいえ、約2600年も昔の話を事実だ、創作だと議論するのは無粋かもしれません。「そういうことにする」というファンタジーでいいのではないでしょうか。2月11日に日本が創設されたということにして、古代天皇の物語を楽しみましょう。

 神武天皇は即位のとき詔勅で「八紘一宇」を宣言したとされます。広く世の中を一つの家族のようにまとめる、という意味だそうですが、これは先の大戦においては日本のアジア諸国への軍事侵略の大義名分に利用されてしまいました。

 神武から令和まで126代(諸説あり)の天皇即位を経ていますが、その間、世界では争いが絶えることはありませんでした。令和6年になった今も、ウクライナとガザの戦闘で命が失われ続けています。武力侵略ではないほんとうの意味での平和な八紘一宇を自ら先頭を切って実現していくことこそ日本国民のあるべき姿であると、建国記念の日に再確認ください。

                                                                                             園長 永井 洋一

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