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ゆきわり草5月号

2025年4月30日(水)

 5月4日は映画「スターウォーズ」の日なのだそうです。”May The Force be with you”...フォースとともにあらんことを は劇中の決めゼリフです。その...May the forceをMay 4thにかけて5月4日にしたのだとか。

 映画はSF宇宙活劇の形式をとりつつ善と悪の戦いを描いています。人は誰しもダークサイド(悪)に転落する危険を持っていて、何かのきっかけでそちらに転落してしまうと永遠に邪悪な世界に支配されてしまう。ジェダイの戦士は正義の力・フォースを駆使してその邪悪な力と戦うというストーリーです。

 スター・ウォーズの悪役ダースベイダーは、もともとジェダイの戦士・アナキンでした。しかし、彼が正義の戦士として成長していく中で立ちはだかる過酷な試練や、それにまつわる疑念、誤解、母の死による悲しみ、妻子を守るための絶対的な力の渇望などの心のゆらぎの中にいつしかダークサイドが入り込む隙をつくってしまいます。そしてアナキンはついにダークサイドに堕ち、ダースベイダーとなって息子ルークと戦う運命となるのです。

 さて、人の中にある善と悪。私たちは「性善説」を信じたいですが、善悪どちらが表出するかは環境によるという説があります。誰でも極度の空腹になれば食べ物を盗むかもしれないし、復讐心に燃えれば人を傷つけてしまう可能性もある。不満、不平、怒り、妬みなどネガティブな心理は、ダークサイドとの距離を縮める悪魔の誘いです。最後の砦である「良心」が崩れ落ちるか否かは、その人が置かれた環境によるというのです。

 あのアメリカの困った大統領を筆頭に、今の世の中、何事も対立軸でものを語る傾向が強くなっています。自分が正義だとして、悪と決めつけた相手をねじ伏せようとします。相手の「悪」を際立たせるために、感情を刺激する過激な画像や節度のない言葉が垂れ流しになっています。地味で面白みのない事実よりも、真偽が定かではない刺激的な画像、言説が拡散されます。その結果、アナキンのようにダークサイドに引き込まれそうなネガティブ感情を持つ人が世界中に溢れています。

 私たち大人は、子どもたちがダークサイドに引き込まれないような環境づくりをしていかねばなりません。主張のぶつけ合い、非難の応酬ではなく、相手を認めて、譲歩し合ってうまくやってくための道を探る。「折り合いをつける」ことが上手な大人に育つよう、人間関係のよき見本を見せていくことが必要です。    

                                                                                                                            園長  永井 洋一

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