お月見の季節になりました。月は人類にとって長らく鑑賞するものでしたが、アポロ11号のアームストロング船長以来、実際に足を踏み入れて調査する場所にもなりました。現時点で計12人の宇宙飛行士が月面に降り立っています。
その最初の月面着陸の舞台裏をコミカルに描いたハリウッド映画「フライミー・トゥー・ザ・ムーン」では、月面着陸が失敗した時のために、同時進行でリアルな月面シーンをスタジオで撮影し、何かあったら差し替えて放送できるように準備しておくという、いかにも実際にありそうな話が展開します。ところがスタジオの月面撮影では、画面の隅にネコが映り込みそうになるなどドタバタのアクシデントが続き、撮影スタッフがてんやわんやの騒ぎになります。幸い、実際の月着陸と月面歩行が成功したため、ドタバタの差し替え映像は使わずに済んだという筋書きでした。
H・Gウエルズ原作の「タイムマシン」は何度かリメイクされている映画ですが、2002年版では主人公のタイムトラベラーが未来に進む途中でマシンを止め、世の中の進歩を確認するシーンがあります。2030年、人類は月を爆破して土地を開発し移住を始めていました。空に浮かぶ月は一部が欠損した姿になっていました。2037年にはその開発が失敗して月は本来の軌道をそれ、崩壊寸前になっていました。
過去、人類は領土拡大と資源を求めて植民地政策を進めました。近い将来、今度は未開の地である月で陣取り合戦、採掘合戦をするのでしょうか。月面を採掘したら「2001年宇宙の旅」のように謎の黒い物体モノリスが出てきて人類に何かを示唆してくれたらいいですね。人類の愚かな競争を止めるには、モノリスの力を借りるしかないのかもしれませんから。
園長 永井 洋一