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建学の精神再発見(ゆきわり草3月号)

2021.3 園長 永井洋一


入園式が6月という、かつてない始まり方をしたこの年度、感染防止のため様々な制約を受けながら何とか工夫を凝らし、園独自の活動をこなしてきました。

 

サマーキャンプが園での「お泊り保育」に代替されたことが心残りですが、田植え、ぶどうやトマトの栽培、七夕、地蔵盆、ミニ音楽会、宇宙をテーマにしたエレファントアワー、運動会、ハロウィン、造形展、もちつき、クリスマスページェント、豆まき、ドッジボール大会...こうした活動のあらゆる場面で、コロナ禍による制限などどこ吹く風といった様子で生き生きと動く子どもたちの姿が見られたことが何よりの喜びです。

 

遠い土地に出かけて三泊するサマーキャンプの方が園に泊まる宿泊保育よりも楽しいはずだ、と大人は考えます。しかし、職員室の先生の椅子の後ろまでもぐり込んだかくれんぼ、プレイホールでみんなで積み上げたカップのタワー、いつもとは違う夜の園庭で楽しんだ花火などには、今年の年長児だけが味わえた喜びが詰まっています。

お泊り保育での“かくれんぼ大会”
『3人』隠れています。


 

満足、幸福には、絶対的な基準がありません。すべてはその人の受け止め方、心のありかたによります。大人の「今年はかわいそう」という心配をよそに、あらゆることを楽しい「遊び」にアレンジして満喫してしまう子どもたちの創造性の豊かさを改めて確認させてもらいました。

 

「生きている限り創造的、独創的でありたいという人間の根っこをつくる」という建学の精神。それを具現化するうえで大切なことは、何をどれだけ与えたか、ではなく、どのようにかかわったか、にかかっているということを実感した一年でした。


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