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ゆきわり草11月号

2022.10.31 園長 永井 洋一


秋の花コスモスには思い出があります。

学生時代、サッカーコーチとして幼稚園に出入りしていた頃、コーチの一人とある先生がお互いに好意を持ったのですが、二人ともシャイで相手に気持ちを伝えられません。そこでコーチたちと先生たちのグループで鎌倉巡りをして、その機会になんとか二人の距離を縮めてやろう、となりました。

小町通りを散策中、二人が接近したタイミングを見て他のメンバーは、さっと路地に隠れました。後に聞けば彼らは通りを四往復して私たちを探したのだとか(笑)。もちろん、その「捜索」が二人の距離を近づけ、後に結婚となりました。

その結婚式で、両親への花束贈呈の時に弾き語りの生演奏で歌ってほしいと二人にリクエストされたのが、さだまさしさんが作曲し山口百恵さんが唄った秋桜(コスモス)だったのです。

いざその場面、式場スタッフから突然「時間が押しているのでワンコーラスだけにしてください」と言われました。ストーリー性のある歌なので、一番だけで終わると中途半端な感じになります。そこで私はやむなく一番を飛ばして、いきなり二番を歌うことにしました。

「♫あれこれと思い出を辿ったら、いつの日も一人ではなかったと、いまさらながら、わがままな私に、唇かんでいます 」二人が両親に近づきます。「♫明日への荷造りに手を借りて、しばらくは楽しげにいたけれど、突然、涙こぼし、元気で...と、何度も、何度も、繰り返す母 」カップルとご両親が対面します。「♫ありがとうの言葉を、かみしめながら、生きてみます私なりに」いよいよ花束贈呈です「♫こんな小春日和の穏やかな日は、もう少し、あなたの、子どもでいさせて、ください」

ちょうど感動的な歌のサビと贈呈のタイミングが合うはずだったのですが、ステージを見ると、まだ花束をわたしている最中です。あれれ、ここで歌が終わったらなんだか間抜けだな 私は機転を利かせてサビの部分をもう一度繰り返しました「♫こんな小春日和の穏やかな日は...」今度はちょうど歌の終わりとカップル、両親が揃ってお辞儀を終えるタイミングが合いました。

「いきなり二番の歌詞とサビの繰り返しには驚いたけど、流れ的にはバッチリだったな」と列席の友人たちから褒められました。秋、コスモスというと、この出来事を思い出します。


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